築城石をめぐる稲取さんぽ

これまで様々なさんぽコースをご紹介してきましたが、今回はちょっとマニアック?!な方向けのコースのご紹介です(^-^;
稲取に限らず、伊豆半島はその昔、罪人の流刑地(いわゆる島流しの刑にあった人がたどり着く場所)でした。およそ、源頼朝が人質として伊豆国(一説では、現在の伊豆の国市)に流された時代…というから、平安後期から鎌倉幕府が作られる前くらいでしょうか。
こうした時代に様々な罪で伊豆へ流された武士や武人が多かったことから、禅宗を流派とするお寺が多く建立されたといわれています。
(御朱印集めでご紹介した寺院も禅宗のお寺です^^🎵)
さて、時は流れて時代が移ろうと、伊豆地方の役目も変化していきます。
江戸時代になると江戸城の改修工事のため、大名たちに工事の命が下ったのをきっかけに、江戸城の石垣の採石地として多数の石丁場ができました。その中でも、稲取は多くの石丁場が有ったことで知られています。
石丁場は東海岸の地域では、船に積み込みしやすいよう海岸沿いに多く作られましたが、稲取では比較的山間にもあります。そこまで歩いていくのはちょっと・・・だけど見てみたい!という方へ、町のいたるところで見られる石スポット(?!)をご紹介します(笑)
まず、駅を出てすぐ・・・
何やら紐が掛かっていますが・・・
切り出した石を引っ張って船まで運んでいた様子から、その当時の様子を模した展示がしてあります。
石の後ろには、江戸城築城石や石曳きの様子などを表したパネルもあるので、是非ご覧ください♪
駅前の通りを散策がてら歩いていくと、目の前に海が広がるT字路にたどり着きます。
そちらを左に曲がり、海風を感じながら歩いていくと・・・
民家の軒先に大きな石!?
畳石と言われる石ですが、これも稲取を代表する築城石のひとつ。
駅前のものと比べるとずいぶん大きさが違う・・・。
こちらは土佐藩に採石命令が下った際に切り出され、搬出できるようにと準備されたものだそうです。
せっかくここまで来たなら、もう少し歩いて吊し雛の展示も見ちゃいましょう♪
海のすぐ近くにある、吊るし飾りメイン会場のひとつです。こちらで海をテーマとした吊るし飾りを堪能したら、来た道を戻ります。
直売所「こらっしぇ」でひとやすみしつつ、すぐ近くのレンガの建物に目を移すと・・・
ここにも石が!
このレンガの建物は東伊豆町の役場庁舎です。
庁舎の港側の両端(この写真の反対側)にも築城石が鎮座しています。
海沿いを散歩しつつ、更に石スポットがないか探してみましょう。
こちらは雛フェスのメイン通りからほど近い「吉祥寺」というお寺の境内にある築城石です。
何気なく風景に溶け込んでしまっているので、ふと境内に足を踏み入れただけでは気がつかないかも?!
築城石には、石を割るために杭を打ち込んだ矢刻みの跡や、切り出した大名家や家々の紋が刻んであったりするので、探してみるのも面白いかもしれません^^
江戸と伊豆を結ぶ歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?
<おまけ>
天気が良ければ、むかい庵の近く、松の木が立ち並ぶ場所から大島を眺めることができます。
松と遠くに見える大島と海!
高台に行かなくとも拝める絶景!
さすがの地元民の私も、散歩をして歩き疲れたので一服しました。
稲取のザ・レトロ喫茶!「ヤシ」。店内の照明が薄暗くていい感じ^^
50年も地元に愛されている喫茶店です。
喫茶店の定番の軽食からがっつりした定食まで揃っています。
甘党にはたまらない!
器もレトロなフルーツサンデーをいただきました♪
まだまだ魅力的なお店、絶景はたくさんあるので、是非散策してみてくださいね^^
<K@>